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正しい手順の成功体験!エラーレスラーニング


失敗は成功のもと?


リハビリの進め方には人によって違いがあります。「失敗は成功のもと」と何度も失敗しながら挑戦を重ね、体の動かし方を学ぶ方もいれば、失敗を繰り返すことで自信を失い、リハビリから遠ざかってしまう方もいらっしゃいます。

「失敗は成功のもと」という言葉は、多くの場面で当てはまる考え方です。そのため、「失敗しても頑張らなければ」と自分を追い込んでしまう方もいらっしゃいます。
しかし、すべての人に同じ学び方が適しているとは限りません。
もしかすると、失敗を繰り返しながら学ぶ方法が合っていなかったという可能性もあります。

リハビリでは、失敗をできるだけ減らしながら練習を進める「エラーレスラーニング」という考え方が用いられることがあります。
これは特に、認知症や高次脳機能障害などで記憶や学習に課題がある方に対して活用されることがあり、正しい動作や手順を身につけるための有効な方法の一つとされています。

今回は、エラーレスラーニングとはどのような学習方法なのか、その特徴や活用場面についてご紹介します。

宇宙遊泳をする宇宙飛行士のイラスト


エラーレスラーニングとは


エラーレスラーニング(Errorless Learning)とは、その名の通り「できるだけ失敗を経験せずに学習を進める方法」です。

一般的な学習では、「まずやってみて、間違えたら修正する」という方法がよく用いられます。
この学習方法の利点は、失敗した原因を考え、試行錯誤を繰り返すことで、自分なりの工夫や応用力が身につきやすいことです。一度覚えた知識や技術をさまざまな場面で活かしやすくなるため、多くの人にとって効果的な学習方法とされています。

しかし、認知症や高次脳機能障害などにより記憶や学習能力が低下している場合は、間違った方法そのものを覚えてしまう誤学習が起きてしまったり、間違いを修正することが難しかったりすることがあります。

木にもたれかかる女性のイラスト


そういった場合に、最初から成功しやすい環境を整え、必要に応じて声掛けや手助けを行いながら、正しい方法を繰り返し経験するエラーレスラーニングが有効になります。
「失敗させない」のではなく、成功しやすい課題を設定し、正しい経験を積み重ねることがエラーレスラーニングの目的です。

エラーレスラーニングは必ずしもすべての方に適した方法ではありません。
ですが、失敗が続いて自分だけでは修正が難しくなってしまった場合には、理学療法士などと一緒に正しい動作や手順を繰り返し経験することで、無理なく学習を進められる場合があります。


具体的な活用の場面


エラーレスラーニングは、例えば着替えや歯磨き、福祉用具の使い方といった、日常生活に必要なさまざまな動作を身につける場面で活用されています。

上記のような生活動作(ADL)を練習する際、最初からすべてを一人で行おうとすると、手順を間違えたり、途中で分からなくなってしまったりすることがあります。
そこで、リハビリでは利用者様の状態に合わせて、声掛けや見本を示したり、必要な部分だけ手助けを行ったりしながら練習を進めます。
正しい手順で成功する経験を積み重ね、慣れてきたら少しずつ支援を減らし、自分でできる範囲を広げていきます。

また、エラーレスラーニングは動作だけでなく、生活習慣を身につける場面でも活用されることがあります。
例えば、「薬を飲んだらカレンダーに印を付ける」「帰宅したら鍵を決まった場所へ置く」といった習慣も、最初は周囲の支援を受けながら繰り返すことで、自然にできるようになることがあります。

このように、リハビリでは「できるかどうか」だけではなく、安心して正しい方法を繰り返し経験できる環境を整えることも大切になってきます。

縄跳びで遊ぶ3人組のイラスト


おわりに


小さな成功体験を積み重ねながら覚えていくエラーレスラーニングは、リハビリをするご本人様だけでなく、ご家族や介助者にとっても参考になるかも知れません。
何度も間違いを指摘することに負担を感じている場合には、専門家に任せてみたり、失敗を繰り返さない環境を整えるという視点を取り入れることで、利用者様も周囲の方も安心して練習に取り組みやすくなる場合があります。

力こぶを作る男性のイラスト


大切なのは「どの方法が正しいか」ではなく、一人ひとりに合った学習方法を選ぶことです。

リハビリベースでは、「できるようになりたい」「自宅でも安心して生活したい」という思いに寄り添い、理学療法士の資格を持つ専門家が、一人ひとりの身体の状態や生活環境、目標に合わせて、利用者様らしい生活につながるリハビリを提供しています。

見学も随時受け付けておりますので、ぜひ、一度お問い合わせください。



参考
「記憶障害のリハビリテーションーその具体的方法ー」(リハビリテーション医学 2005;42:313-319 閲覧日2026/8/7)


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