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「休職が明けるから」「孫の結婚式があって」お話される内容は、ご利用者様によって異なります。
また、当院ではリハビリを始める前に、リハビリを続ける動機となるような「ライフゴール」をお尋ねしています。その際にも「旅行に行きたい」「自転車に乗りたい」と皆様、様々な目標をお話してくださいます。
中には、答えに迷う方もいらっしゃいます。
ですが迷われていた方も、リハビリを続けて体に良い変化が出て来ると、「日常のこんな場面で、こんな風に体を動かすことが出来た」と、動作を混じえながら、その変化についてご報告してくださいます。
「動きやすい体」は、様々な行動の土台となります。
リハビリのきっかけや動機が、特定の目標であっても、明確な理由がなかったとしても、リハビリを続けて「より動きやすい体」になることが出来ると、可能性の広がりを感じてか、自然ともっと体を動かしたいという思いを強くする方が多いようです。
そういった「動きやすい体」を測る指標の一つに「ADL(日常生活動作)」があります。
ADLとは、起き上がる、立つ、歩く、物を取るといった、日常生活の中で繰り返される基本的な動作を指します。また、それらを組み合わせた高度な動きに「IADL」があります。
これらの動作がスムーズに出来るようになると、日常生活の中で動きやすいと実感する場面が増えます。無意識の消耗が抑えられ、日々の体の疲れが薄れることもあります。
すると、先述したように明確な目標がなかった方もこんなことをしてみようと意欲がわいて、リハビリに向き合う気持ちが変わっていくことがあります。
今回の記事では、リハビリを始めようと思うきっかけがあった。けれど、あと一歩を踏み出す程の動機はなく、悩んでいる。
そんな方に、実際により動きやすい体になった時のイメージを持っていただくため、ADLの観点から、「具体的に動きやすい体とは何か」「どのように動きやすい体を作っていくか」などについてご説明いたします。
目次
「動きやすい体」の定義は目標や環境によって異なりますが、今回は幅広い視点から捉えるため、「ADL」という指標をご紹介いたします。
ADLとは「日常生活動作(Activities of Daily Living)」の略で、個人が日常生活を維持するために最低限必要な能力を評価するための指標です。簡単に言えば、起きる・座る・立ち上がる・歩く・物を取るといった、日常の中で繰り返される基本的な動きです。
また、社会生活を送る上で必要な、より複雑な動作として「IADL(手段的日常生活動作)」があります。ADLは、「起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」といった生活に不可欠な動作を指すのに対し、IADLは、買い物や調理、選択、服薬管理といった、より複雑な行動を指します。
リハビリでは、このADL・IADLが重要な位置づけにあります。ADL・IADLの低下は出来ることが減ることを意味するため、趣味が出来なくなったり、社会での役割を見いだせなくなったりして、気分が落ち込みがちになります。そのせいで体を動かす機会が減り、さらに出来ることが減る、といったループに陥ることもあります。
しかし、翻って言えば、ADL・IADLを目安にして出来ることを増やしていくことが、動きやすい体を手に入れることにつながっていきます。
例えば、立ち上がりや歩行を楽にしていくと、外出のしやすさや疲れにくさが変わってきます。一つ一つの動作は小さなものかも知れませんが、積み重なれば、日常生活の負担はどんどん軽くなっていきます。
負担が軽くなれば、歩いてみたい、買い物に行ってみよう、遠くの店に行くために自転車に乗りたい、とだんだんと望みが広がっていきます。その望みに合わせて体を使うことが増え、より動きやすい体へと変わる機会が増えます。
そのため、リハビリでは、実際の生活場面に近い動作を確認しながら、どこに負担がかかっているのか、どの動きがスムーズでないのかを見ていきます。
実際に、日常生活での動作を意識したリハビリを行っている動画をご紹介いたします。
おひとりおひとりに合ったトレーニングを行うため、実際に行うリハビリは、ご紹介したトレーニングに限りません。「人混みを歩きたい」「ゴルフがしたい」といった目標があれば、その目標に沿ったリハビリ内容をご提案いたします。
動画では「水の入ったコップをこぼさないように歩く」「洗濯物を干す・取り込む」「書道」といったトレーニングを行っていました。他にも、階段の昇降や、歩行、立ち上がり動作なども行っています。
「自分の家でだって出来ることだから、あえて施設にまで行ってやらなくてもいいのではないか」 そう思った方もいるかも知れません。
ですが「動きやすい体」を作るには、筋力に加えて、体の使い方も重要です。
自分では普段通りに動いているつもりでも、長年の癖や、脳卒中後の麻痺や整形外科疾患による痛み・可動域制限などによって、以前とは異なる体の使い方が習慣になってしまったことで、体の一部分だけに負担が集中していることがあります。
その状態が続くと、「なんとなく疲れやすい」「立ち上がりが重い」「動けるけれど負担感がある」といった、言葉にしづらい違和感につながっていきます。
さらに、片側を庇い続けることで別の部位に負担が集中して、その部位にまで痛みが生じるなど、日常生活全体へ影響が広がることも少なくありません。
そのためリハビリでは、筋力だけでなく、動作そのものにも着目しながら体の状態を見ていきます。
施術者が動き方を調整すると、今までと違う体の使い方になるため、最初は違和感を覚える方もいらっしゃいます。
ですが、その動き方でしばらく生活していただくことで、「以前より立ち上がりやすくなった」「疲れにくくなった」「足の浮腫が減った」といった変化を感じる方が少なくありません。
日常生活の動きは、毎日の中で繰り返されています。
だからこそ、一つ一つの動作が少し変わるだけでも、その積み重ねが、生活全体の過ごしやすさにつながっていきます。
日常生活の中にある小さな負担に目を向けることが、体を整えていく第一歩になるかもしれません。
「動きやすい体」とは、動くことに対する抵抗感の少ない体、と言い換えることも出来るかと思います。
だからこそ、動きやすい体になる前の状態が、一番大変かも知れません。リハビリを始めようと思ってはいても、中々踏み出せない。今現在が一番動きづらい体なのですから、それも無理ないことです。
ただ、その一歩を踏み出すことが出来れば、正のループに入ることが出来ます。
立ち上がる時に「よいしょ」と気合を入れなくても良い。
少し遠くへ出かける時に、「疲れそうだからやめておこう」と考えなくて済む。
動く度に感じていた疲労感や痛み、不安感がなくなる。
日常の負担が少なく済んで、新たな目標が出て来たり、もっと動ける状態を目指そうという意欲が湧くようになっていくかも知れません。
当院では体験リハビリでも、しっかりと体を見て、動きやすい体になるために、どのような部分に負担がかかっているのか、どのような動き方の癖があるのかを確認しながら、現在の状態とその先を見据えながら、その方に合ったリハビリをご提案しております。
また、「どんなことを目指したいのか」「どのような場面で困っているのか」といったお話も伺いながら、日常生活に結びつくリハビリを行っています。
「まだリハビリを始めるほどではないかもしれない」「明確な目標があるわけではない」と感じている方も、まずは現在の体の状態を知るところから始めてみてはいかがでしょうか。