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めまいのリハビリ

はじめに

皆様はめまいを感じたことはありますか?「急に天井が回った」「立ち上がった瞬間にフラッとした」
このようなめまいを経験したことがある人は、少なくありません。めまいは、年齢を問わず誰にでも起こりうる症状の一つです。
原因は、耳の奥(内耳)、血圧、自律神経の乱れなどさまざまですが、一番多い原因は内耳のトラブルです。

今回はめまいの種類と原因、代表的な疾患と効果的な自主トレーニングをご紹介します。

耳の解剖と役割

まず、耳の解剖と役割を簡単に説明します。
耳は大きく「外耳」「中耳」「内耳」の3つに部分に分けられます。
外耳には、耳介外耳道中耳には鼓膜耳小骨内耳には半規管蝸牛があります。

聴覚に関しての各器官の役割は、まず外耳耳介で音を集め外耳道を通り音を増幅させます。外耳から伝わった音で中耳にある鼓膜が振動し、隣の耳小骨が振動を20~30倍に増幅させ内耳に伝達します。内耳蝸牛の内部はリンパ液と呼ばれる水で満たされており、中耳から伝わった音の振動でリンパ液の波が起き、内部の有毛細胞が揺れて電気信号に変換し聴神経へ伝えます。電気信号を聴神経が脳へ伝達し音として認識されます。

そして、内耳半規管は平衡感覚を司る器官です。半規管の内部もリンパ液で満たされており、頭やからだが動くと、内部のリンパ液が流れます。すると、半規管の端にある膨らんだ部分(膨大部)にある感覚細胞が、リンパ液の流れの速度や方向などの刺激を捉えてこの刺激が電気信号となって前庭神経に伝わり、脳で身体が回転したという情報として感知されます。この内耳にトラブルがあるとめまいが起きる可能性があります。

めまいの種類と原因

めまいを起こす原因と代表的な疾患を以下の表に示します。
末梢性のめまいが全体の7割~8割と圧倒的に多く、末梢性の中でも良性発作性頭位めまい症(以下BPPV)の割合が多いと報告されています。1)

次に代表的なめまい症であるBPPVに関して簡単に説明を致します。

BPPVとは

BPPVとは、Benign Paroxysmal Positional Vertigoの略で、朝、起きあがろうとするときなどに、ある方向へ頭の位置を変化したときにめまいが起こる病気です。通常、めまいは数十秒間以内に消失し、吐き気・嘔吐を伴うことはありますが、聞こえが悪くなったり、意識や言葉、運動の障害を伴うことはありません。


原因として、頭部の運動を感ずる内耳半規管の中に、耳石という小さな砂粒のような結晶が紛れ込むためと考えられています。頭の位置が変わるたびに耳石が動き、それが半規管を刺激しめまいが生じるのです。寝返り、首の前傾(お辞儀、洗顔など)、後傾(洗濯物を干すときなど)、起床時や就寝時にめまいが起こります。2)

なぜ耳石が半規管に紛れ込むのかはっきりとした理由は分かっておりませんが、長時間の同一姿勢の保持が影響を及ぼすと言われています。

また再発率も高く、ある論文の報告では発症後10年間の再発率は50%との報告もあります。3)

効果的な自主トレーニング

発症予防、再発予防に効果的なトレーニングを紹介します。
Habitiation exerciseという、積極的に目線を動かすことによって、めまいが起きやすい動きに慣れさせる目的で行うものです。前述した通り、長時間の同一姿勢が発症や再発の原因となり得る可能性があり、日頃から目線を動かす意識が重要です。

トレーニング中にめまいが起こる可能性がありますが、中止せずに継続することが効果的とされています。

➀速い縦

右手を頭頂部の高さ、左手をみぞおちの高さに置く。
顔の位置は変えずに目線を上の指と下の指を交互に速く動かす。

➁ゆっくり縦

左手で顎を抑えて、右手を上下にゆっくりと動かす。
顔の位置は変えずに右手の親指を目で追う。

➂速い横

手を肩幅より広く広げ親指を立てる。
顔は正面を向いたまま、目線を右の指、左の指へと速く動かす。

➃ゆっくり横

左手で顎を抑えて、右手を左右にゆっくりと動かす。
顔は正面を向いたまま右手の親指を目で追う。
各エクササイズ10回1セットを一日に一回を目安に行ってください。
網膜剝離や眼底出血の既往がある方は、負担がかかる可能性がある為、主治医に相談のうえ実施を検討してください。

おわりに

今回はめまいの代表的疾患と自主トレーニングを紹介させて頂きました。
めまいに関しても筋力や体力と同様に、しっかりと動かすことが効果的です。日々の生活の中に目線を動かす習慣をつけることが発症予防、再発予防につながります。

めまいで悩んでいる方でもお気軽に当院の無料体験リハビリにてご相談下さい!

参考、引用文献

1) 良性発作性頭位めまい症診療ガイドライン(医師用) 日本めまい平衡医学会診断基準化委員会編
2) 日本めまい平衡医学会 Q&Aより引用
3) Brandt T, Huppert D, Hecht J, et al.: Benignparoxysmal positioning vertigo: a long-termfollow-up (6―17 years) of 125 patients. ActaOtolaryngol 126: 160―163, 2006