2024 年 4 月 13 日公開
高次脳機能障害の克服➀
症状の内訳
「高次脳機能障害 」と一口に言っても、脳の損傷部位により症状は様々です。身体の麻痺の状態や障害の種類によっても、実際の生活場面で行える動作や活動は、大きく変わってきます。
実際の内訳として、どんな特徴や症状があるのか、解説いたします。
東京都の1年間における高次脳機能障害の発生数は、49,508人(男性:33,936、女性:15,572)と、男性が女性に対し約2倍の割合となっています 1) 。
原因疾患としては、脳血管障害が全体の81.6%と大半を占めています。
高次脳機能障害の大まかな分類としましては、下記の障害が挙げられます。
1 注意障害
2 遂行機能障害
3 記憶障害
4 失語症
5 半側空間無視
6 地誌的障害
7 失認証
8 半側身体失認
9 失行症
10 行動と感情の障害
上記のグラフを見ると、「行動と感情の障害」、「記憶障害」、「注意障害」、「失語症」、といった障害が、多くの割合を占めています。
一番割合が高い症状として挙げられる、「行動と感情の障害 」では、日常生活に対し意欲がわかない、落ち込みやすい、感情がコントロール出来ないといったメンタル面での障害が多くみられます1)。
脳血管疾患の方は、特に麻痺の後遺症から、術前と比較して出来ないことに対し落ち込むことや、思うように体が動かずに、苛立ちや焦りを覚えることがあります。そのため、日常生活の中でさらに消極的になってしまい、リハビリの意欲が低下するといった悪循環が起こることも、珍しくありません。
リハビリベース国分寺では第一に、運動量を多くとることで、脳の血流量を圧倒的にあげ、麻痺の後遺症のある手足の使用頻度を上げることで、随意運動ずいいうんどう (自らの力で動かす運動)の向上を図ります。2)
そして、一つの動作をただ繰り返すのではなく、その方が目標とする動作や好きなこと、得意なことも踏まえてより学習効果を高めていくのが、リハビリベース国分寺での機能改善の秘訣です。
目標設定が高すぎてしまったり、思ったより回復しないという苛立ちがあると、落ち込みや学習効果の低下につながってしまいます。
大切なのは、自己効力感やモチベーションの向上につながり、「行動と感情の障害」に対して解決の流れを作り出す好循環を生み出すことです。リハビリベース国分寺では、動作などの難易度調整をしながら、一つ一つ成功体験を積み重ねていただくことによって、「行動と感情の障害」に対し、改善を図っていきます。
また、そういった好循環を維持していくには、周りのご家族の理解や支えも必要になります。そのため、リハビリベース国分寺では、ご利用者様とご家族様との対話も大事にしています。
リハビリベース国分寺では、必要があれば理学療法士がご自宅まで訪問し、実際の生活状況の中で、動作や環境調整を提案いたします。これによって、できる生活動作を広げていきます。
脳の障害部位として、右脳と左脳のそれぞれの部位から、起こる高次脳機能障害がおおよそ決まってきます。
今回のトピックで挙げた感情のコントロールという部分で言えば、「うつ」や「不安」といった症状は、右脳と比べ、左脳の障害で出現することが多いです3)。
左脳の障害は他に、言語野がほとんどの人に存在することから、失語症が代表的なものとして挙げられます。
リハビリベース国分寺に通って頂いている方の中には、運動量を増やすことで発語のバリエーションが増加したり、日常生活動作の成功体験から、リハビリにより意欲的に取り組むことができるといった変化を感じた方もいらっしゃいます。
脳画像から、実際の生活状況や症状と照らし合わせ、細かい評価から解決策を一緒に話し合っていくこともできます。
当院では、いきなりの契約は不安という方にも安心していただけるよう、体験リハビリを行っております。当院への来院が初めてという方のみに提供させていただいている貴重な機会となっておりますので、お気軽にご要望をお伝えください。
さらに、
高次脳機能障害の克服② では、行動と感情の障害と同じく、高次脳機能障害の症状として多い「
注意障害 」について詳しく解説しております。ぜひ、こちらもご覧ください。
【引用文献】
1) 東京都福祉保健局.(2008).高次脳機能障害実態調査
2) Nudo, R.J, et al. (1996). Neural substrates for effects of rehabilitative training on motor recovery after
ischemic infract.
3) 小浜尚也、種村純. (2019). 脳損傷における感情表出の損傷半球別検討. 高次脳機能研究. 第39巻第2
号.
症状の内訳
高次脳機能障害といっても、脳の損傷部位により症状は様々です。身体の麻痺の状態に加え、高次脳機
能障害の種類によって、実際の生活場面で行える動作や活動は、大きく変わってきます。
実際の内訳として、どんな特徴や症状があるのでしょうか。
東京都の1年間における高次脳機能障害の発生数は、49,508人(男性:33,936、女性:15,572)と、男性が女性に対し約2倍の割合となっています 1) 。
原因疾患としては、脳血管障害が全体の81.6%と大半を占めています。
高次脳機能障の大まかな分類としましては、下記の障害が挙げられます。
1 注意障害
2 遂行機能障害
3 記憶障害
4 失語症
5 半側空間無視
6 地誌的障害
7 失認証
8 半側身体失認
9 失行症
10 行動と感情の障害
「行動と感情の障害」、「記憶障害」、「失語症」、「注意障害」といった障害が、多くの割合を占めています。一番の割合として挙げられる行動と感情の障害では、日常生活に対し意欲がわかない、落ち込みやすい、感情がコントロール出来ないといったメンタル面での障害が多くみられます1)。
脳血管疾患の方は、特に麻痺の後遺症から、術前と比較し出来ないことに対し、落ち込むことや、思うように身体が動かないことから、より苛立ちや焦りが増し、日常生活の中で消極的になってしまうと言った悪循環が多く見受けられます。
第一に運動量を多くとることで、脳の血流量を圧倒的にあげ、麻痺の後遺症のある手脚の使用頻度を上げることで、随意運動(自らの力で動かす運動)の向上を図ります2)。また動作一つひとつを繰り返すのではなく、その方にあった目標とする動作や、好きなこと、得意なことも踏まえてより学習効果を高めていくのが、リハビリベース国分寺での機能改善の秘訣です。
目標設定が高すぎてしまうことや、思ったより回復しないといった苛立ちがあると、落ち込みや学習効果の低下につながるため、難易度調整をしながら、一つひとつの成功体験を共に共有させてもらうことで、高次脳機能障害の半分を占める、感情と行動の障害に対し改善を図っていきます。
そのためにも、周りのご家族の理解や支えが必要なため、リハビリベースではご利用者様とご家族様との対話を大事にしています。
必要であれば、ご自宅まで脚を運ばせて頂き、実際の生活状況の中で、動作や必要であれば環境調整を提案させて頂き、できる生活動作を広げていきます。
一つひとつの動作や成功体験を重ねることで、自己効力感やモチベーションの向上に繋がり、感情と行動の障害に対して、解決の流れを作り出す好循環を生み出すことができます。
脳の障害部位として、右脳と左脳のそれぞれの部位から、起こる高次脳機能障害がおおよそ決まってきます。
今回のトピックで挙げられた感情のコントロールという部分では、「うつ」や「不安」といった症状は、右脳と比べ左脳の障害で出現することが多いです3)。
左脳の障害としては、他に言語野がほとんどの人に存在することから失語症が代表的なものとして挙げられます。
リハビリベース国分寺に通って頂いている方の中には、運動量を増やすことで、発語のバリエーションが増えることや、日常生活動作の成功体験から、より意欲的に取り組まれるといった変化がみられてきます。脳画像から、実際の生活状況や症状と照らし合わせ、細かい評価から解決策を一緒に話し合っていきます。
【引用文献】
1) 東京都福祉保健局.(2008).高次脳機能障害実態調査
2) Nudo, R.J, et al. (1996). Neural substrates for effects of rehabilitative training on motor recovery after
ischemic infract.
3) 小浜尚也、種村純. (2019). 脳損傷における感情表出の損傷半球別検討. 高次脳機能研究. 第39巻第2
号.
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