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パーキンソン病の方におすすめの運動療法

目次

1、はじめに
2、なぜ運動が必要なのか?
3、効果的な運動の種類
4、運動時の注意点
5、まとめ

1、はじめに

パーキンソン病とは、体の動きが徐々にゆっくりになったり、手足が震えたり、姿勢が崩れ歩行への障害が著明になり、転倒しやすくなる病気です。また、感覚障害、自律神経症状、精神症状、認知機能低下、睡眠障害等の非運動症状によっても特徴づけられる末梢・中枢神経をともに障害する多系統変性疾患と言われております。進行性の病気ですが、運動を適切に取り入れることで、日常生活の質(QOL)を保ち、症状の進行を緩やかにすることができます。

 今回は、パーキンソン病の方に効果的な運動や、その際の注意点についてわかりやすくご紹介します。

2、なぜ運動が必要なのか?

これらの症状により歩く・立つ・着替える・食べるなど、基本的な動作や日常生活が難しくなることがあります。

しかし、適切な運動を継続することで、関節の柔軟性や筋力、バランス機能を保つことが可能です。

3、効果的な運動の種類

パーキンソン病の方に向いている運動は、以下のような要素を持つものです。

① ストレッチ(柔軟性を高める)
筋肉や関節のこわばりを防ぐため、毎日短時間でもストレッチを行うことが重要です。
特に、首・肩・背中・股関節・足首など、大きな関節を中心にほぐしましょう。

例:
• 両手を組んで頭の後ろで伸びをする
• 壁に手をついてふくらはぎを伸ばす
• 寝た状態から膝を立て、外側に倒し股関節を伸ばす
• 肩を回す
朝の起床後や、夜のリラックスタイムに取り入れるのがおすすめです。
② 筋力トレーニング(筋肉を保つ)
動作が遅くなることで、自然と筋力が低下しやすくなります。特に下半身(太もも・お尻・ふくらはぎ)を中心に鍛えることが大切です。

例:
• 椅子から立ち上がる練習(スクワットのような動作)
• 太ももをゆっくりと上げ下げする
• かかと上げ(ふくらはぎのトレーニング)
→ 転倒を防ぐためにも、安全な環境で、無理のない回数から始めましょう。理想は翌日に軽く筋肉痛が起きる程度です。
③ バランス訓練(姿勢保持の向上)
パーキンソン病では、バランスが取りづらくなり、転倒のリスクが高まります。
バランス能力を保つための練習も取り入れましょう。

例:
• 壁に手を添えて、片足立ち(数秒からスタート)
• 足を前後に一列に並べて立つ「綱渡り姿勢」
• 小さな段差の昇降運動
→ 転倒のリスクがあるため、誰かの見守りのもとで行うことが望ましいです。
➃有酸素運動・音楽療法(心肺機能や全身の活性化)
ウォーキングやラジオ体操など、全身を使ったリズムのある運動は、筋力維持だけでなく、気分の改善や認知機能の活性化にもつながります。

例:
• 室内や屋外でのウォーキング(10~30分)
• 音楽に合わせた体操、ラジオ体操
• ゆっくりとしたダンス
• 和太鼓演奏
→ リズムに合わせて動くことで、動作がスムーズになる「音楽療法」も効果的です。しっかりと全身を動かす意識でやっていきましょう!

4、運動時の注意点

効果的な運動も、無理をすると逆に体調を崩したり、転倒事故につながる可能性があります。以下の点に気をつけましょう


● 医師やリハビリ専門職の指導を受ける

まずは主治医に相談し、自分の体調に合った運動メニューを立ててもらうことが大切です。


● 無理をしない

調子が良い日でも、「少し物足りないかな?」くらいで終えるのがポイント。疲れすぎると、動きが悪化することがあります。


● 転倒に注意

パーキンソン病の方は、健常人に比べ3倍転倒しやすくなっており、小さな段差や方向転換で転びやすくなります。
 家の中の環境も、安全に運動できるよう不必要なものを片付けたり、住宅改修などで整えましょう。また、福祉用具や衣類などにクッションなどが付いた物もあり、骨折の予防を図ることができます。万が一の転倒に備えて転倒の方法などは担当のセラピストにご相談してください。


● 薬の効果が出る時間帯を活用

パーキンソン病では、薬の薬効が出て動きやすい時間があります。この時間に合わせて運動すると、よりスムーズに体が動かせます。現在では、日内変動の多い方などにはパーキンソン病薬を液剤化し、注入ポンプを用いて24時間持続皮下投与して日内変動を緩和する治療もあります。

5、まとめ

当施設でもパーキンソン病の方が多く、リハビリに取り組まれております。運動を継続することで筋肉の柔軟性や転倒の予防にもなっている方もいらっしゃいます。詳しくはブログをご参照ください。

パーキンソン病は全身の筋肉の強張りや筋力の低下を起こすため、「運動を継続すること」はとても重要です。リハビリベースでは個別にあった運動を提供しております無理なく、楽しく続ける、そして旅行など皆様の生活の質が向上するように取り組んでいます。

「歩けるようになりたい」「転ばずに生活したい」「旅行に行きたい」など
そんな思いをサポートするのが、私たちリハビリベース国分寺の役割です。

リハビリベースでは無料の体験も実施しております。ご本人もご家族も、一人で抱え込まず、一緒にできることを見つけていきましょう!