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今年は例年に比べて涼しい夏となっていますが、7月が近づくに連れて、気温の高い日も増えてきました。
この時期になると、テレビや新聞、ネットメディアなどでは、熱中症への注意喚起を目をする機会が増えます。
熱中症にはまだ早いのではないか、と思う方もいるかも知れません。実際には熱中症は、身体が暑さに慣れていない5月頃から発生し始めます。そのため、まだ涼しいと感じているうちから注意が必要です。
例年に比べれば少なくはありますが、2026年も既に、全国で7000人以上の人が熱中症として救急搬送されています。
では、熱中症予防をするとして、どのような方法を取ればいいのか。
熱中症とは、体温調節がうまくできなくなり、体内の水分や塩分のバランスが崩れることで起こる症状の総称です。
体温調整には汗、すなわち水分が不可欠。そのため、多くの方がご存知の通り、「こまめな水分補給」が重要です。
今回はこの水分補給について解説いたします。
熱中症予防にはどんな水分が良いのか。どのタイミングで飲んだらいいのか。飲んだ水分は、身体の何処に蓄えられているのか。
皆さんご存知でしょうか?
実は、この疑問を掘り下げていくと、筋肉と熱中症の意外な関係も見えてきます。
まず、基本的な知識として、なぜ熱中症予防に水分補給が重要なのかをあらためて確認いたします。
人間の身体は、体重の約60%が水分でできています。体内の水分は、血液として酸素や栄養を運んだり、老廃物を排出したり、体温を一定に保ったりと、生命活動に欠かせない働きをしています。
特に暑い環境では、身体は汗をかくことで熱を逃がし、体温の上昇を防いでいます。
しかし、汗によって失われた水分を補給しないでいると、体内の水分量が不足してしまいます。すると、汗を十分にかけなくなり、体温調節がうまく行えなくなります。
これが脱水であり、熱中症の大きな原因の一つとなるため、水分補給が重要なのです。
では具体的に、熱中症予防の水分補給にはどのような飲み物を選べば良いのでしょうか。
前述した通り、水分は、暑い季節には体温調節の役割を担っています。
具体的には、体温が上昇すると、身体は汗を分泌します。その汗が蒸発する際に熱を奪うため、体温が一定に保たれるという仕組みです。
この汗の分泌の際、水分以外にも失われるものがあります。ナトリウム(塩分)などの電解質です。電解質は、水に溶けると電気を通す性質を持つ物質のことですが、身体では神経や筋肉の機能の調整などの重要な役割を担っています。
そのため、大量の発汗が続くと水分と電解質の両方が不足し、筋肉のけいれんや脱水症状などが引き起こされます。
日常生活の中で軽く汗をかく程度であれば、水やお茶による水分補給で充分な場合がほとんどです。
ただ、真夏や、屋外での活動、運動などで大量の汗をかいた場合には、カフェインの入った飲み物には注意です。アルコールと同様に利尿作用があるため、脱水症状が悪化します。
大量の汗をかいた場合には、糖分や塩分、カリウム、マグネシウムといった電解質を含むスポーツドリンクが役立つことがあります。
ただし、スポーツドリンクには糖分が多く含まれている製品も少なくありません。糖尿病の方は製品選びに注意が必要です。
また、熱中症の時によく話題に出る経口補水液は、予防には適しません。
あくまで病者用食品であり、脱水症状が起きている時に飲むものと、メーカーは説明しています。
この飲み物を飲んでいれば大丈夫、と断言出来るものはありません。
それぞれの飲み物の特性を理解して、状況に応じて飲むように心がけましょう。
水分補給のタイミングについては、人によっても異なりますが、筋肉量が少ない場合には、より意識的に取る必要があります。
実は、筋肉の約70〜75%は水分で構成されており、筋肉は体内で最も大きな「水分の貯蔵庫」の一つとして機能しています。
そのため、筋肉量が多い人ほど、体内に蓄えられる水分量は多くなります。反対に、加齢や運動不足などによって筋肉量が減少すると、水分を蓄える力も低下します。
高齢者が熱中症になりやすい理由として、「喉の渇きを感じにくくなること」はよく知られています。しかし実際には、それだけではありません。
加齢によって筋肉量が減少すると、身体に蓄えておける水分量そのものも少なくなります。
つまり高齢者は、「水分を失いやすい」だけでなく、「水分を蓄えにくい」状態にもなっているのです。
そのため、水分補給は喉が渇いてから行うのではなく、意識的に行うことが大切です。
例えば、起床時、食事の前後、入浴の前後、外出の前後、就寝前など、生活の節目ごとに少しずつ飲む習慣をつけると、水分不足を防ぎやすくなります。
こまめな水分補給については、別の理由もあります。高齢者の場合、一気に500mlのペットボトルを一本飲んでも、吸収しきれないためです。
水分を蓄える役割を担う筋肉を維持することも、脱水や熱中症を防ぐための大切な要素です。
筋肉は身体を動かすためだけでなく、水分を蓄える役割も担っています。
そのため、筋肉量を維持するトレーニングは、熱中症予防という観点でも役に立ってきます。
とはいえ、暑い時期に無理をするのは禁物です。
気温の高い時間帯を避けて運動を行う、エアコンの効いた室内で身体を動かす、水分補給をこまめに行うなど、熱中症対策を行いながら運動習慣を継続することが重要です。
トレーニングというと特別な器具が必要なイメージがあるかもしれませんが、スクワットや立ち座り運動など、自宅でできる運動でも、充分に筋肉へ刺激を与えることができます。
リハビリベースでは、空調のきいた中で、専門家と一緒にトレーニングをすることが出来ますよ!
熱中症対策というと、「どれだけ水を飲むか」が注目されがちです。
水分補給は非常に大切ですが、それに加えて飲み物の性質、水を飲む頻度、「水を蓄えられる身体を維持する」という視点も忘れてはいけません。
今年の夏は、水分補給だけでなく筋肉の健康にも目を向けながら、暑さに負けない身体づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
参考
「全国の熱中症による救急搬送状況(6月15日~6月21日速報値)」(総務省消防庁 https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r8/heatstroke_sokuhouti_20260615.pdf 閲覧日)2026/6/25)