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腰痛シリーズ第1弾 脊柱の構造&筋筋膜性腰痛症

【腰痛シリーズ】第1弾 脊柱の構造&筋筋膜性腰痛症

慢性疼痛の中でも割合を多く占めている『腰痛』
リハビリベース国分寺でも腰痛に対するリハビリを行っています。
『腰痛』にはいったいどんな種類があるのか?腰痛シリーズとして腰痛に関しての病態やリハビリについてを皆様にご紹介いたします。
今回は『脊柱の構造&筋筋膜性腰痛症』についてご説明していきます。

 
【目次】

●腰痛とは
●脊柱の構造
●脊柱の生理的彎曲
●筋筋膜性腰痛症
●身体所見
●筋筋膜性腰痛症の分類
●参考文献

 
【腰痛とは】

腰痛といっても筋性の腰痛だったり、ヘルニアだったりと様々な疾患があり、各疾患によって評価や診断方法・リハビリ・トレーニング方法が異なってきます。
診断については医師による画像診断(レントゲンやMRI、CTなど)や徒手検査が必要になります。
では「腰痛」にはどのような種類があるのか、、、。
今回のブログではリハビリベース国分寺の【腰痛シリーズ】第1弾として「脊柱の構造」「筋筋膜性腰痛症」についてご紹介していきたいと思います。

 
【脊柱の構造】

脊椎は椎骨とこれを連結する椎間板、靭帯、関節包から構成されます。
通常33個の椎骨からなり、5つの部位に区分でき、頸椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個、仙椎が5個、尾椎が4個あります。なお成人では、仙椎と尾椎はそれぞれ結合して仙骨と尾骨を形成します。
脊柱は頭部と体幹の安定を保つため頚椎から腰仙椎に至るまで、強い支持力が必要とされるとともに、神経組織を保護する必要性があります。また一方、生活動作やスポーツ動作においては、十分な可動性も必要とされます。

 
【脊柱の生理的彎曲】

人間の脊柱は矢状面上で(横から見た面)一連の相反する彎曲をもちます。静止立位でこれは生理的彎曲と呼ばれ頸椎が前彎、胸椎が後彎、腰椎が前彎、仙尾椎が後彎を呈しております。
脊柱の自然な彎曲は固定せず、動的であり、生活動作・スポーツ動作やいろいろな姿勢により柔軟に変化していかなければなりません。

 
【筋筋膜性腰痛症】

腰部の筋肉や筋膜に対して、急性的あるいは慢性的な負荷がかかることにより生じます。
具体的な例としては、スポーツ動作などで急激にストレスがかかることにより腰部の筋肉や筋膜が損傷し炎症反応を起こして痛みを誘発する場合や、日常生活での不良姿勢などで慢性的に筋肉や筋膜への持続的なストレスが生じ、血流循環が悪くなり、患部周囲に発痛物質が停滞し痛みを引き起こすことにより発症します。
また、これらの動作などによって炎症が生じると筋膜周囲に線維化が生じ、癒着によって筋膜間の滑走性が低下し、運動機能の低下を招いてしまいまう可能性もあります。
さらに組織の線維化によって筋筋膜の伸張性が低下すると、関節可動性などの身体機能が低下し障害局所での一つ一つの動きが減少し、その結果として筋組織は委縮して線維化し、組織内の酸素分圧が低下することで炎症反応が増し、線維化がさらに促進されます。
また炎症によって組織の侵害受容器の感受性が高まり疼痛が継続すると、動作や行動に制限が生じる事で身体機能不全がさらに進んでしまうという悪循環を作ってしまいます。

 
【身体所見】

筋筋膜性腰痛症は画像所見に特異的な所見を認めることはきわめて少ないので、細かく身体所見を取ることが重要です。
しかし、筋筋膜性腰痛症は他の関節由来の腰痛(椎間板性腰痛、椎間関節性腰痛、仙腸関節性腰痛)と併発することも多いため、一度の評価において病態を1つに限定するのではなく、症状が続いている場合には、その都度評価を行うのが良いでしょう。
これらを区別するためには医師の診察が必要になります。

身体所見では主に以下の評価を行います。
・分類分け、脊柱所見、動作時痛の評価:どの動作で痛みがでるか(前後屈/回旋/安静時/不安定など)を確認する
・圧痛点の評価:痛みの部位が筋肉なのか骨なのか関節なのかを評価
・神経伸張テスト:筋筋膜性腰痛症のみの場合、神経症状が出ないため、陰性であることを確認する
・画像所見:筋性腰痛においては特殊な状況以外には、画像所見を認めない

 
【筋筋膜性腰痛症の分類】

筋筋膜性腰痛症は腰を反らして痛みがでる「伸展型腰痛」、曲げる動作で痛みが出る「屈曲型腰痛」、捻る動作で痛みが出る「回旋型腰痛」に分けられることが多いです。
何もしなくても痛みが出る「安静型腰痛」やこれらの症状がいくつか複合して痛みが出る「複合型腰痛」と呼ばれる分類もあります。
「どのような動作で痛みが出るか」「何が原因で痛みを引き起こしてしまったのか」「どの筋肉が痛みを引き起こしているのか」などなど、的確な評価やリハビリ、トレーニングで根本的に腰痛の原因を解決していかないと痛みが長引くケースが非常に多いです。

次回は第2弾の『腰椎椎間板ヘルニア』についてご紹介したいと思います。

 
【参考文献】

・加藤欽志.整形外科医のための脊椎のスポーツ診療のすべて.日本医事新報社.2022
・Donald A.Neumann.筋骨格系のキネシオロジー.医歯薬出版株式会社.2005
・浅井宏祐.臨床スポーツ医学スポーツ障害理学療法ガイド-考え方と疾患別アプローチ-.文光堂.2014

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