お知らせ・ブログ
営業時間 9:00~18:00月~金(定休日:土日祝祭日)
042-401-0890お知らせ・ブログ
2月前半は大寒波が訪れ、大変な寒さでしたね。豪雪に見舞われた方々へ心よりお見舞い申し上げます。各地で雪に対処してくださった方々、ありがとうございます。寒さによる関節痛などで苦しんだ方も、お疲れ様でした。
予報では、これからしばらくは暖かくなる見込み。東京では既に梅も咲いており、春の気配を感じさせます。
寒さで中々外に出る元気がなかったという方も、暖かくなり始めのこの機会に、外に出て、「深呼吸」をしてみるのはいかがでしょうか?
冷たい空気の中では、寒さに構えるために肩に力が入ったりして、緊張した姿勢が続き、無意識のうちに呼吸が浅くなりがちです。しかし呼吸は、生命維持だけでなく、リラックス効果、血流や内臓の働きの活性化など、多くの働きをしています。
寒さに耐えてお疲れ気味の身体を、日常生活の中で簡単にできる深呼吸で、労ってあげましょう。
ただ、その効果や意味に納得できていないと、やろうと思っていても忘れてしまったりして、継続することは難しいかと思います。そのためこの記事では、深呼吸が身体にもたらす効果と、具体的な実践方法をお伝えします。
梅の香りが漂うような暖かな日に、自分の体の動きを意識しながら、ぜひ深呼吸をしてみてください。
普段、私たちは1日に約2万回以上の呼吸をしています。呼吸の重要性については、改めて説明されなくても分かっている、という方がほとんどかと思いますが、当たり前のことであるために、あまり呼吸について意識していない方も多いのではないでしょうか。
では具体的に、例えば呼吸が止まったら、どれくらいの時間で死に至るかはご存知でしょうか。
早ければ4分、長くても10分だそうです。個人差はありますが、おおよそ2~4分で意識を失い、4~6分で深刻な脳障害の可能性が高まります。呼吸止めの最長世界記録でも、11分35秒*1です。
他の例で言えば、死亡リスクもある睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断は、10秒以上の無呼吸や低呼吸が、1時間あたり5回以上あった時に下されます。3600秒中の50秒だけでも息が止まると、長期的に見た時の心臓病や脳卒中のリスクが高まるのです。
*1純酸素を使わない場合の記録。
そのような短時間で死に至る理由は、「酸素」にあります。
私たちの体は、脳、筋肉、内蔵、すべての組織においてエネルギーを必要とします。そのエネルギーの元となっているのが、呼吸によって体内に取り込まれた、酸素です。
特に、体の諸機能を司っている脳は、体重の約2%しかありませんが、全身が消費する酸素の、約20%を使うと言われています。つまり酸素の消費量が多いので、酸素の濃度に関して、とても影響を受けやすい臓器なのです。
しかも酸素は、体の中にためておくことは出来ません。常に供給が必要です。
そのため体は、数分酸素が止まるだけでも、大きなダメージを受けるのです。
具体的な数字になると、今までより一層、呼吸の重要性が身に迫って感じられるのではないでしょうか?
裏を返せば、呼吸が浅くなることで引き起こされている不調があれば、呼吸の方法を改善してしっかりと酸素を取り込むことで、解消される可能性がある、ということでもあります。
さらに、深呼吸は、他にも体に良い変化をもたらします。
深呼吸の代表的なメリットは、「ストレス解消」です。
深呼吸をするとリラックスできる、という印象は広くあるかと思いますが、これにはきちんと科学的な裏付けがあります。
まずメカニズムとしては、深呼吸は、自律神経のうち「副交感神経」の働きを高めることで、リラックス効果を生んでいます。副交感神経とは、リラックスしている時や眠っている時に働く神経で、心身の活動性を下げ、回復や修復へと導く役割を担っています。
このメカニズムの裏付けとしては、深呼吸によって、ストレスの増加に伴って増える「コルチゾール」というホルモンの分泌が抑えられることが、研究によって確認されています。
つまり、深呼吸のリラックス効果は、主観的な感覚だけでなく、ホルモンの変化という客観的なデータによっても証明されているのです。
ストレス解消には関心がない、という方でも、認知症についてはいかがでしょうか?
実は、呼吸機能の低下と、認知機能の低下については関連がある可能性が、研究で明らかにされつつあります。
詳しいメカニズムについてはまだ研究の途上のようですが、48週間、深呼吸を治療に取り入れた軽度から中等度のアルツハイマー患者で、認知機能の低下が緩やかになり、精神症状も軽度となったことが報告されています。
また、睡眠時無呼吸症候群の治療が、認知機能の改善に効果があった可能性も報告されています。このことからも、呼吸の質が脳の健康に影響を与える可能性は高いと考えられます。
先ほどご紹介したコルチゾールの分泌が過剰な状態が続くと、認知に関わる脳の「海馬」という部位が萎縮するリスクが高まることも、研究によって示されています。コルチゾールを抑制する効果がある深呼吸は、認知症に効果があるのかも知れません。まだはっきりとは言えない領域ですが、深呼吸が、とても簡単でありながらも健康に良いことについては、間違いなさそうです。
深呼吸は他にも、血行を良くしたり、筋肉の緊張をほぐす、胃酸や食べ物の逆流を防ぐ下部食道括約筋の働き改善といった効果があります。
深呼吸を生活に取り入れてみたいと感じた方は、ぜひ、次にご紹介する呼吸法をお試しください。
呼吸には大きく分けて、2つの種類があります。「胸式呼吸」と「腹式呼吸」です。
「胸式呼吸」は胸の上部だけを使った呼吸で、1回の呼吸で取り込める空気の量が少ない呼吸方法です。簡単に言えば、浅い呼吸です。
浅い呼吸である胸式呼吸が続くと、酸素不足になって脳や筋肉に充分な酸素が行き渡らないため、集中力の低下、疲労感、だるさを感じやすくなります。また、自律神経のバランスを乱す原因にもなります。自律神経は、血管や睡眠など、身体の活動に様々に関わっているため、バランスを崩すと、多くの体の不調に繋がっていきます。
深呼吸をする時に行ってほしいのは、より深い呼吸である「腹式呼吸」です。
歌や芝居などの声を使う時、腹式呼吸をするように言われた経験がある方も多いのではないでしょうか?
また、赤ちゃんは腹式呼吸をしています。あの小さな体でも長時間、大きな声で泣き続けられることを、不思議だと思ったことはありませんか? その答えは実は、腹式呼吸をしているためなのです。
腹式呼吸とは、横隔膜を大きく動かし、肺の下部までしっかり空気を取り込む呼吸法です。
息を吸う時にお腹が膨らみ、吐く時にお腹が凹みます。胸式呼吸に比べて、1回の呼吸で多くの酸素を取り込むことができます。
座った状態でも、立った状態でも、寝た状態でも、どんな状態でも出来ますが、よく分からないという方は、お腹の動きが分かりやすい、寝た状態から行うのをオススメします。
腹式呼吸の手順
1.鼻からゆっくり息を吸う
・お腹が膨らむのを感じながら
・胸ではなく、お腹に空気を入れるイメージ
・3〜5秒かけて
2.1〜2秒息を止める(慣れてきたら)
・1に戻り、また口からゆっくり息を吐く
3.口からゆっくり息を吐き切る
・お腹を凹ませるイメージで
・体の中の空気を全部出すつもりで
・5〜8秒かけてゆっくりと
これを5〜10回繰り返します。
ポイントは、吐く時間を、吸う時間よりも長くすることです。ゆっくり長く息を吐くことで、リラックス効果が高まります。
慣れてきて、もっとリラックス効果を感じたいという希望がある方は、4-7-8呼吸法という方法も試してみてください。これは、入眠を促す効果が高いと言われている呼吸法です。
4秒かけて鼻から息を吸う
7秒間息を止める
8秒かけて口から息を吐く
これを3〜4回繰り返します。
深呼吸は、いつでも、どこでも、誰でもできる、最もシンプルで効果的な健康法です。
自律神経を整える、血流を良くする、リラックスする。少なくともこれだけの効果が、お金も道具も必要なく、ほんの数分で得られます。
これから徐々に春に向かっていきます。寒さで縮こまっていた身体をのびやかに伸ばしながら、例えば梅の香りが漂う散歩道で、立ち止まって深呼吸をしてみてください。
リハビリの前に深呼吸をすれば、身体がほぐれて動きやすくなります。リハビリの後に深呼吸をすれば、疲れた身体を労ることができます。ストレスを感じた時、眠れない夜、気分転換をしたい時。深呼吸は、いつでもあなたの味方です。
最初はうまくできなくても大丈夫です。お腹が動かなくても、時間が短くても、続けることで自然にできるようになります。
深い呼吸で、心も身体も整えながら、春を迎える準備をしていきましょう。
傷病やその後遺症で、中々そういう気分にはなれないという方も、ご安心ください。
当院には、脳梗塞や側弯症に罹患されながらも、日々のリハビリによって回復し、桜の木の下で、とても素敵な笑顔を見せてくださったご利用者様もいらっしゃいます!
体験リハビリも行っています。ちょうど新生活などの準備の時期、楽しい春を迎えるために、新たな一歩を踏み出してみませんか?
リハビリベースは、もっと良くなりたいと思うあなたを、お待ちしております。
参考
「【コラム】呼吸機能と認知機能の意外な関係:高齢者の脳を健康に保つカギとは?」(神戸元町呼吸内科アレルギークリニック https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/shisetsu/kouen/1005195/1004208.html](https://kobe-ed-corona.jp/column/respi_dementia/) 閲覧日20262/11)
「ストレスから来る食欲不振 胃腸では何が起きている?」(大正漢方胃腸薬 江田証https://brand.taisho.co.jp/kanpou/tsukiau/kotsu12/ 閲覧日2026/2/18)
「脳と体を改善する科学的呼吸法、アルツハイマー病患者に変化も」(ナショナルジオグラフィック https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG02A0G0S5A600C2000000/ 閲覧日2026/2/18)
「深呼吸をしましょう 腹式呼吸のやり方」(日本医師会 https://www.med.or.jp/komichi/holiday/sports_02.html 閲覧日2026/2/18)
「軽度から中等度アルツハイマー病に深呼吸が認知機能低下を抑制」(https://academia.carenet.com/share/news/d8ae603c-e012-4943-ad87-30dfdd62e773 閲覧日2026/2/19)
「Daily Deep Breathing Improves Psychological Symptoms and Cognition in Mild Alzheimer's Disease Patients」( Zihan Wang、Qiumin Qu、Ling Gao、Shan Wei、Xiaojuan Guo、Jin Wang https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12739419/ 閲覧日2026/2/19)