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IVESを使用したリハビリの実際

はじめに

当院では歩行能力の向上を目的にも電気治療を積極的に行っております。

電気治療には随意運動介助型電気刺激IVES®を使用しております。

IVESとは、患者の随意運動を検知し、それに応じた電気刺激を筋に与えることで運動を補助するリハビリテーション機器です。1)

特に、脳卒中や脊髄損傷後の麻痺患者に対する歩行訓練に有効とされています。
IVESの使用目的や効果は以前当院のブログにて紹介していますのでご参照下さい。
 https://reha-base.com/blog/article.html?page=162

2、歩行練習

今回は当院にてivesのセンサートリガーモードを使用し歩行が改善した実例を紹介します。

センサートリガーモードとは、踵に装着した歩行センサにより電気刺激のON/OFFを制御し、踵が床から離れたタイミングで電気刺激がONとなり、歩行時の足関節背屈(つま先が上に向く動き)をサポートします。
ほ
OG技研HPより引用
足を前に振り出す際に、足関節背屈の動きが困難となり、課題として残る事が多々あります。センサートリガーモードを用いて歩行練習を行うことで、背屈の動きが補助され振り出しやすくなり、繰り返し練習することで運動学習として徐々に習得されていきます。
実施の訓練映像
文献にて脳出血後の麻痺に対してIVES使用後,下肢装具なしで歩行自立を獲得した症例報告があります。2)
また、センサートリガーモードを使用し、歩行補助具を使用せず歩行が自立し、歩行速度や耐久性が改善した報告もあります。3)
Before After
映像からも左(麻痺側)のつま先が比較的真っ直ぐ出るようになり、歩行速度が改善していることが分かります。
こちらのご利用者様は、元々は杖をついて歩かれていましたが、徐々に身体機能が改善し杖無しで歩けるようになりました。そして、復職や韓国旅行に行けるまでに回復されました。

おわりに

今回はIVESを使用した改善例を紹介させて頂きました。発症して間もない場合でも、発症から時間が経っているとしても、新たな刺激を入れることで身体機能が改善する可能性は大いにあります。興味がある方は是非お問合せください!

参考文献

1) OG技研HPより引用
2) 前脛骨筋に対してIVES使用後,下肢装具なしで歩行自立を獲得した脳卒中片麻痺者の一症例. 関東甲信越ブロック理学療法士学会 42 (0), O-001-, 2023社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
3)ivesを使用した症例の報告−スモン患者への適応にための予備的研究−.厚生労働省研究データベース