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パーキンソン病と転倒~冬に多い事故を防ぐ、リハビリの大切さ~


はじめに


12月に入り、いよいよ冷え込んできました。

冬場になると増えてくる事故の1つに、「転倒」があります。
積雪や路面の凍結はもちろんですが、厚着によって動きにくくなったり、寒さによって身体がこわばることも、大きな要因です。

パーキンソン病の症状の進行を緩和させるためには、外出やリハビリは欠かせません。
しかし、身体のこわばりが強くなっていたり、転倒しないようにいつも以上の注意を払う必要があり、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不安を解消するためには、原因や対策などを、よく知ることが大切です。

今回のテーマは、冬に意識していただきたい注意点です。転倒の原因となり得る身体のこわばりへの対策や、冬のかくれ脱水についてもお伝えいたします。

記事の最後には、当院のInstagramアカウントで投稿している、ご利用者様にご協力いただいて撮影した、バランスを養うためのトレーニング動画もご紹介いたしております。ぜひ最後までご覧ください。

おばあさんがつまづいているイラスト


冬に強まる身体のこわばりと対策


冬になると、特にパーキンソン病の方は、筋肉のこわばりや動きが遅くなるといった運動障害が、より強くなったと感じることが多くなります。

その背景には、パーキンソン病の症状の一つである、自律神経の働きの低下があります。

自律神経には、体温を一定に保っている血管の働きを、調整する役割があります。ですから、自律神経の働きが低下すると、気温の変化に体が対応しづらくなり、体が冷えやすくなります。体が冷えると、寒さのために体が緊張してしまい、知らず知らずのうちに力が入りやすくなってしまいます。

このような変化は、症状の進行とは別であることが多いため、温かくなると和らいでいくことが多いです。

ですが、身体のこわばりによって転倒すれば、骨折や入院につながっていきます。体を温めて、緊張を和らげておくことは不可欠です。


 運動で身体を温める


体を温かくする方法は様々にありますが、当院が特に強調したいのは、運動です。
リハビリ施設だから、という理由もありますが、それ以上に、より根本的な改善が望めるためです。

筋肉には、血管と同様に、体温を一定に保つ働きがあります。「熱産生」と呼ばれる働きです。筋肉は収縮する際にエネルギーを消費しますが、そのエネルギーを産生する際に、熱が発生するのです。運動して身体が熱くなるという経験には、きっと多くの方が覚えがあるでしょう。

さらに重要なのは、基礎代謝です。基礎代謝とは、生命維持のために消費される必要最低限のエネルギー代謝量のこと。エネルギーの消費にともなって熱が発生しますから、基礎代謝量が高ければ高いほど、普段の熱産生も増加して、体が温まりやすくなります。

では、どうすれば基礎代謝量は増えるのか。

この基礎代謝量は、筋肉量が多い人ほど、高い数値を示すのです。

何故ならば、基礎代謝量には肝臓や脳などの他の臓器も関わっていますが、鍛えて組織量を増やすことができるのは、筋肉だけだからです。 そして筋肉量を増やすには、運動が欠かせません。

当院で行っているような「よく動くリハビリ」をすれば、寒さで身体がこわばることが減り、さらに元々の目的である、症状の進行の抑止も期待できます。

男女二人が体操しているイラスト


冬のリハビリでの注意点


冬に運動する際には、以下のような点にご注意ください。


 転倒


転倒防止のために運動をするのに、運動しようと出かけて転倒してしまうのでは、本末転倒です。
雪が降ってからはもちろん、朝や日陰を歩く時にも、歩き方や、歩く場所に注意しましょう。

特に転倒しやすい場所は、歩道や駐車場、建物の出入り口など、人がよく行き交う場所や、階段、スロープといった高低差のある場所です。
また、意外なところでは、白線の上も滑りやすくなっています。

避けて歩くことが難しくても、滑りやすそうな道を見分けられるようになることで、歩き方を変えるなどの対策が可能になります。
雪道や濡れた道などの滑りやすい道では、「ペンギン歩き」と言われるような小さな歩幅で、靴の裏全体をつけて歩くと、滑りにくくなります。

滑りにくい靴や、靴底に装着する滑り止めなどの使用も重要です。


また、寒い場所から移動してすぐの運動も、まだ身体がこわばっていて転倒しやすいと考えられます。
充分に身体をほぐしてから、転倒する心配のない運動から始めましょう。

この記事の最後でも、転倒せずに身体を鍛えられる運動を紹介いたします。ぜひお試しください。


 脱水


夏だけでなく、冬でも脱水の危険があります。冬は「かくれ脱水」と呼ばれるように、自覚症状がないまま脱水になる例があります。

冬は湿度が低く、空気が乾燥しやすくなります。さらに、暖房を使うことで乾燥が加速し、皮膚から水分が蒸発していってしまいます。
しかし、蒸発は目に見えないため気づくことは難しく、しかも夏ほど汗をかかないため、喉の乾きも軽度です。そのため、気づかないうちに、脱水になってしまうのです。

特にパーキンソン病の方は、筋肉が痩せているため、身体に水分を保持することができなくなっている上に、嚥下障害や頻尿のために水分を取る量が減りがちで、脱水になりやすくなっています。また、高齢の場合は、喉の乾きを感じにくくなっている場合もあります。

運動をしている時も日常生活でも、意識して水分補給をしましょう。


バランスを養うリハビリ紹介


以下の動画は、実際にリハビリベースに通院されていた方にご協力いただき作成しました。転倒の心配がなく、なおかつ身体のバランスを支えているヒラメ筋を鍛えられるトレーニングです。

運動不足になりがちな年末年始に取り組んで、より良い時間を過ごしましょう。


より具体的に知りたい方のために、「リハビリベース」では、冬場のリハビリや症状管理に関するご相談を受け付けています。

 <お問い合わせ>
 TEL | 042-401-0890 (月〜土 9:00〜18:00)
 メール | https://reha-base.com/contact.html
 公式LINE | https://lin.ee/NsDFEem



理学療法士(PT)による、パーキンソン病のリハビリに関する専門的なアドバイスや、お客様の身体に合わせた、オーダーメイドのリハビリをご提供いたしております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。


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