良い姿勢について
良い姿勢とは
皆様は良い姿勢とはどんなものかご存知でしょうか?
簡単に良い姿勢とは何かを紹介させて頂きます。
良い姿勢とは、身体の各部分が適切な位置にある状態を指します。横から見た立位姿勢において、重心線が耳垂、肩峰,大転子、膝関節前部、外果の前方を通る姿勢が理想的と言われています。
良い姿勢を保つことで、筋肉や関節への負担が軽減され、痛みや不快感の予防になります。
その中でも「抗重力伸展活動」「脊柱の生理的湾曲」「腸腰筋」が重要な役割を果たしています。
抗重力伸展活動
抗重力伸展活動とは、重力に対抗して体を伸ばすための身体の活動を指します。
姿勢を維持するには様々な身体の機能が必要となりますが、特に筋活動が重要な要素です。
抗重力伸展活動が適切に行われていないと、姿勢が崩れやすくなり、体が前に傾いたり、背中が丸くなったりすることがあります。
これにより、筋肉や関節に過度な負担がかかり、慢性的な痛みや疲労感を引き起こす可能性があります。
脊柱の生理的湾曲
脊柱は、単なる直線ではなく、自然な湾曲を持っています。
この湾曲は、生理的湾曲と呼ばれ、脊柱を支えるための重要な要素です。
脊柱の湾曲には、頚椎の前弯、胸椎の後弯、腰椎の前弯が含まれます。
この湾曲があることで、衝撃を吸収し、体重を効率的に分散させることができると言われています。
前述した抗重力伸展活動が適切に行われていると、脊柱は自然と生理的な湾曲を維持することができます。
生理的湾曲が正常でない場合、脊柱に負担がかかり、腰痛や肩こり、首の痛みの原因となります。
例えば、頚椎の前弯が減少すると、頭が前に突き出す姿勢(ストレートネック)になり、肩や首に過度な負担がかかります。
また、腰椎の前弯が減少し腰が曲がった姿勢になると、腰に過度な負担がかかり、腰痛を引き起こす可能性があります。
腸腰筋(ちょうようきん)は、腰椎から大腿骨の内側にかけて位置する筋肉群で、骨盤の前傾をサポートし、腰椎が前弯しやすくなります。
この筋肉群が弱ると、骨盤が後ろに傾きやすくなり、腰椎に過度な負担がかかることがあります。
抗重力伸展活動にはこの腸腰筋が重要な役割を担っており、腸腰筋を強化することで骨盤の位置が安定し、脊柱の生理的湾曲が保たれやすくなります。
まとめ
良い姿勢を維持するためには、抗重力伸展活動、脊柱の生理的湾曲が重要であり、の為には腸腰筋が機能的に働いている事が重要です。
抗重力伸展活動が働き脊柱の湾曲が適切に保たれることで、体の負担が軽減され腰痛予防につながります。また、腸腰筋を強化することが良い姿勢を維持するために重要です。
【参考文献】
1)中村隆一他.医歯薬出版.基礎運動学(第6版)
2)中村尚人.有限会社ナップ.コメディカルのためのピラティスアプローチ.2019