お知らせ・ブログ
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目次
1、はじめに
2、運動の効果について
3、各器官の効果・反応について
1)心血管系
2)呼吸器系
3)内分泌系・代謝系・消化器系
4、まとめ
皆様は運動を行うことでどういう効果があるか知っていますか? リフレッシュ効果や姿勢の改善などたくさんありますが、実は目には見えないところで内臓器系も効果が得られております。その中でも体の中で起こっている現象等をなるべく分かりやすくご紹介していきたいと思います。
運動を行うことで即時的に得られる効果とトレーニングを継続する事で得られる継続効果があります。
上記のようにたくさんの効果を獲得する事ができます。難しい言葉も多くあると思いますので噛み砕いて説明していきます。今回は心血管系や呼吸器系、内臓器系を中心に説明させていただき、筋肉や骨関節系はまた別の回で説明させていただきます。
1)心血管系
皆様は運動で心臓を鍛える・強くする方法を知っていますか? 運動によって心臓を強くできる方法があります。まずはそのメカニズムについて説明します。
心臓は通常1分間で60〜70回程度で動いております。心臓の動きは心臓神経と呼ばれる自律神経(交感神経・副交感神経(迷走神経))によって調整されています。自律神経によって下記の反応が起こります。
運動によって即時効果として心拍数の増加が見られますが、交感神経が優位に働くことによって心拍数の増加が観測できます。また、心筋の収縮力も全身に酸素を送るために強くなります。全身に強い力で血液が流れるので血圧も高くなってしまいますが、常に高くなっているのではなく、一定のところで安定するようになっています。
運動の即時効果について理解していただけたでしょうか? では、トレーニングを継続することでどのような効果があると思いますか? 先ほどの血圧と関連することもありますが、運動を続けることで副交感神経の活動が促されてきます。その為、運動を始めから一定の時間で血圧の安定化が図れるようになります。なので、高血圧症等のある方は運動を行い血圧の低下や安定化を図っていく必要があります。ちなみに血圧の低下や安定化を図るためには1日6000歩程度の歩数が必要になります。現在は万歩計を持ち歩かなくても携帯電話で測定する事ができますので、歩数を確認してみましょう。
皆様は「スポーツ心臓」という言葉を聞かれたことはありますか? スポーツ心臓は運動の上級者やマラソン等の長時間運動に触れている人がなりやすい現象で、安静時でも心拍数が1分間で40回程度になってしまうことを言います。副交感神経が安静時でも活動的に働いてしまうことで起こってしまいます。そこまで心拍数が下がって問題ないのかと感じる方もいるかと思いますが、継続的な運動されている方は心臓の筋肉が大きくなり、心臓から出る血液量も多くなるので問題なく生活を送る事ができます。普段から運動していない方が心拍数40回程度になっている場合は、心臓に問題がある場合が多いので病院を受診してください。
心臓も筋肉でできていますので、運動をする事で筋力をつける事ができます。心臓を強くしたい方は運動を継続してやってみてください。
しかし、注意して欲しい事が2つあります。1つ目は呼吸を止めて行うような強い運動です。呼吸を止めてしまうことで血圧が急上昇してしまう為注意が必要です。2つ目は運動を急に辞めてしまうことです。血圧が急激に減少する事があります。特に自転車エルゴメーターなど下肢の運動の際に低下しやすい為、自転車エルゴメーターなどの運動の後には血圧の急激な変動を防ぐためにクールダウンを実施して下さい。ぜひ安全に運動を行っていきましょう!
2)呼吸器系
運動しているとどうして息が切れてしまうのか不思議に思ったことないですか? 体はまだ平気なのに呼吸が続かないと感じられた方も多くいるのではないでしょうか。特にプールでは体感された事が多いのではないでしょうか? 運動効果を踏まえながら、息切れが起こる原因を探っていきましょう。
まず、運動を行うことで即時効果として1回換気量の増加や1分間に出される炭酸ガス量の増加、酸素摂取量の増加の効果を得られることができます。通常時の換気量を安静時と最大運動時、運動効果で表にしてみました。運動を行うことで下記の表のように数倍から数十倍まで効果を得られることが出来ます。
トレーニングを継続して得られる効果として、1回換気量の拡大を図っていく事が可能です。水泳選手や素潜り漁師の方などは普段から呼吸を制限された状態で運動されている為、1回での換気量が拡大しております。無理のない範囲で運動を継続していく事で酸素を取り込む力が強くなります。また、換気量が上昇する事で肺の広がりや胸郭、肋骨周囲の動きが誘導されます。運動を続けることにより、酸素を取り込む力が強くなり、有酸素運動で出来る運動の幅も広がっていきます。
運動を行うことで、息切れが出現します。なぜ息切れが出現するかわかりますか? 1分間の換気量と酸素摂取量、炭酸ガスの排出量によって起こります。運動を実施すると全身に送るための酸素を取り込もうと呼吸数が増大します。より激しい運動になってくると1分間に出される炭酸ガスの量が多くなり、1回に吸える酸素の量を超えてしまい息切れを起こしてしまいます。もし息切れが強い場合だと、一度呼吸を整える必要があります。なぜ整える必要があるかというと、息切れを起こしている状態では、酸素が足りていない分を筋肉や血液から前借りしている状態になっているからです。もし、その状態で運動しても運動を継続することが困難で酸欠になってしまいます。ゆっくり呼吸を整えながら負荷量を下げた運動を検討していく必要があります。無理のない範囲で運動をやっていきましょう。
3)内分泌系・代謝系・消化器系
皆様はホルモンと聞いて何を思い浮かべますか? よくアドレナリンなどは聞かれることがあると思いますが、その他にもたくさんのホルモンが存在しています。運動におけるホルモンの働きや自律神経の働きは即時的な効果やトレーニングを継続した時の効果と区別することは難しく、運動に合わせてホルモンの分泌や自律神経の調整がされています。運動で起こる反応を説明していきます。
運動により交感神経の働きが高まり、エピネフリンなどのホルモンが分泌されます。エピネフリンは脂肪酸やグリコーゲン、ブドウ糖とともにエネルギー源となります。エピネフリンは、酵素を刺激し化学反応を起こさせるように働きます。酵素が働くことにより、グリコーゲンはブドウ糖に分解されます。ブドウ糖が増加することで膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは筋のブドウ糖摂取を促進してくれます。運動中はブドウ糖などがエネルギーとして消化されるのでインスリンの分泌が抑えられるということになります。
脂肪組織はリパーゼという酵素では脂肪の分解を促進してくれます。また、エピネフリンとグルカゴンは脂肪細胞への働きを抑制してくれます。脂肪が分解されることで、脂肪酸の吸収も抑えられる為、中性脂肪等の減少やコレステロールの改善が図れるということになります。
軽い身体運動では、食物を胃から排出する運動が促進する傾向にあります。胃の運動を亢進させますが、胃液の分泌にはあまり影響は与えないと言われております。ただし、激しい運動後には胃酸の分泌が低下しています。なので、食事後には激しい運動など実施すると消化不良を起こす可能性がありますので注意が必要です。
普段の生活の中で私達の体の中で発生するエネルギーの75%が熱となります。熱産生は運動強度が高いほど大きくなり、運動時は安静時の10〜12倍の熱産生が起こります。運動時に体温は上昇し、体内の酵素活性が上昇します。また、筋肉等の柔軟性がえられ、運動に一層適するようになります。体温は運動強度に比例して高くなります。発汗は体温と皮膚温度の上昇につれて多くなります。激しい運動を続けた際に直腸内や筋の温度は40℃を超えることもあります。長時間、高温環境にさらされたり、激しい運動を続けたとき、熱喪失よりも熱産生が大きくなり体温は次第に上昇してしまいます。運動中に熱中症等になる可能性もある為、注意が必要となります。
運動を実施することで筋肉だけでなく内臓機能は活発に活動しています。内臓機能がしっかり活動する事で新陳代謝を高めたり、正常な働きを促進する事ができます。もちろん健康の為にも内臓機能をしっかり保つことが必要になります。特に高血圧や糖尿病は重大な合併症を招く恐れがあります。運動を行い、健康を手に入れましょう。
ご相談ごと等あればお気軽にリハビリベース国分寺にご連絡ください。